性格を変える方法

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性格とは

性格1

性格とは、心理学的にも様々な見解があり、一概に個を特定するものや性質的な区分をするものとは言い切れません。
一般的な意味は、「その人の言動の仕方に現れる、一貫した固有の感情・意志の傾向」になるかと思います。
目には見えないもので、漠然としていますね。
また時代や、人によっては解釈も変わっています。

性格とは概念的なもので、その人を表す傾向とすると、その元になっているものはなんでしょうか。
一番の元になっているものは「気質」と言われています。
気質は生まれ持ったもので、かえる事が難しいとされています。
赤ん坊の時に、よく笑う子、よく泣く子、おとなしい子、落ち着きが無い子などの傾向は気質が原因と考えられます。
また、生まれ持った体質や遺伝も合わさってその人の気質になっているとも考えられています。

古くは紀元前460年頃、古代ギリシャの医者であるヒポクラテスが、四体液説という説を唱えています。
人間の身体には4つの体液(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)があり、そのバランスが身体的・性格的な特徴になっているという考えです。
大昔の説にも関わらず、現代でも多くの説に影響を与えています。

また、米国の精神科医のクロード・ロバート・クロニンジャー博士は性格を遺伝的な影響を強く受ける四つの因子と、環境的な影響を強く受ける三つの因子に分けらると唱えています。
遺伝的な部分は変えることが難しく、環境的な部分は変えていけるという考えです。
遺伝的な部分は遺伝子、神経伝達物質の遺伝と考えられています。
心が脳で考えている事の現われだとしたら必然なのかもしれません。

現在では様々な研究がされ、個の性格分類をしたり傾向をはかったりなどされています。
性格とは、他人から見ればその人の行動を見て判断されるものです。

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性格の元になるもの

性格2

性格は段階的に形成されるものと考えられています。
元々持っている「気質」があり、それを囲むように物心つく前の環境によって形成される「環境因の性格」があります。
更にそれを囲むように行動や思考が習慣化した「習慣的性格」と、社会的立場から発生する「役割的性格」があります。
気質は、遺伝的要素がほとんどだと考えられています。
よって、変える事は難しいということです。
環境因の性格も、本人が選択する事は容易でなく、あまり変わらないと言われています。
習慣的性格は自身の生活の中で、意識的・無意識的に関係なくつい行ってしまうような行動や思考なので、意識をすることで変える事が出来ます。
また、役割的性格も現状の立場が形成するものですので、立場や状況が変われば変化します。
このように、性格と一言で言っても様々な要因で構成されているのです。

性格に関する研究は古くから行われています。
性格心理学(人格心理学)には様々な分類がありますが、ドイツの精神科医エルンスト・クレッチマーの気質類型論というものがあります。
・細長型‐分裂気質
・肥満型‐循環気質
・闘士型‐粘着気質
このように体形から気質をタイプ分けするという考えです。

他にも、スイスの精神科医ユングは人間の傾向を見るのに、二つの態度と四つの機能を定義しました。
二つの態度とは「外向」と「内向」。
四つの機能とは「思考」「直観」「感覚」「感情」です。

様々なタイプ分類は、それらのバランスによって性格を形成すると考えられています。
性格の元になっているのは、遺伝と環境、立場によって作られていくものということです。

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自分の性格を知る方法

性格3

自分の性格は知っているようで知らないものです。
なぜなら、一般的な性格というのは周りから見たその人を表すものだからです。
「自分ではこういう性格」と思っていても、周りからは違う性格に見えているかもしれません。
また、本来の性格を無意識に押さえ込んでいるケースもあります。
本人が問題なければよいのですが、抑圧になってしまい悩みの原因になる事もあるので注意が必要です。

自分の性格を知るには、自分の気質やその後の性格形成がどのような環境の影響を受けてきたかを振り返る必要があります。
また、客観的な尺度も必要です。
客観的な見方をすることは難しいことなので、自分の性格を公正に把握するのは難しいことかもしれません。 自分が相手に対してどのように写っているかを知るすべはコミュニケーションを取るしかありませんが、それも真意を知る事は難しいものです。

自分の性格を知る上では、性格診断などが数多く存在しています。
自己診断的なものも、ある程度自分の性格を知るヒントになるでしょう。
また、行動心理学を利用したものもあります。これは、その人の思考や行動から性格を診断するものです。
こちらの方が客観的といえるかもしれません。

参考までに性格診断が出来るサイトを紹介します。
○行動から性格診断を行います。
性格診断
○極端に出る傾向からの性格診断
セルフカウンセリング性格傾向診断

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性格改善のステップ

性格4

漠然と性格改善といっても簡単なことでもありません。
簡単にいけば悩んだりはしませんね。
ここでは、性格の改善に必要な最低限のステップをお教えします。

自分の性格特性を知る

自分の性格特性を知る事は、自分の何を変えればいいのかという事を知るということです。
性格には特性があり、その特性をどう活かすかによって対外的な性格となります。
要するに性格の良し悪しは、性格特性の活用方法次第という事です。
自分の性格で悩んでいる方は、実は性格特性を上手く活かせていない方です。
性格特性を上手く使うためにも、まずは自分の性格特性を知ることが大切です。
知った上でどの部分が悪い部分で、逆に良い部分はないかという事を考えることが性格を変える近道です。

自分の感情を知る

性格を改善するためにはまず自分を知ることです。
そして、その元になるものが、自分の感情です。
自分の感情は性格特性を元に、経験によって身に付いた考え方や捉え方を使って導き出されます。
ですが、本人は無意識にその感情まで行き着いていることがほとんどです。
例えば、「嘘つきは嫌いだ」という性格の人は、なぜ嫌いなのかを考えることなく嫌悪感などになっています。
その嫌悪感がどこから来ているのかが理論的に分かっていないと、その嫌悪感は変わらないままです。
それを帰るためにもまずは自分の感情を知ることが必要です。
具体的には、まず自分の感情がどのようなときに、どの程度湧き出しているのかを書き留めておくと良いでしょう。
自分の感情を知る事によって、性格のクセを発見するヒントとするのです。

性格特性の活かし方を考える

性格特性は変化しにくいものです。
攻撃的な性格、保守的な性格、様々な性格特性はありますが根本的な変化はなかなか出来ません。
そこで性格特性を活かす方法を考えてみましょう。
それぞれの性格特性には良いところと悪いところがあります。
性格を変えたいと思っている方は、悪い部分にばかり目が行っているのではないでしょうか。
そこで性格特性の良い部分も考えてみましょう。
必ず良い部分もあるはずです。立場や見方が変われば良い部分があるかもしれません。
それらを考えてから性格の悪いと感じているところを直すのが正しい方法です。
また、性格の良い部分が分かれば、特性を活かす方法も思いつくことでしょう。
性格の悪い部分ばかりに捉われず、広い視野で自分と向き合うことが大切です。

性格のクセを矯正する

性格の元になっている思考にはクセのようなものがあります。
そのクセは変えることが可能ですが簡単ではありません。
無意識的に身に付いているもので、長い時間をかけて染み付いているからです。
ですが、何かのきっかけで大きく変わる事もありますし、自分が変えて行きたいと想い続ければ必ず変わります。
そのクセを知り、向き合う事が大切です。
例えば、約束を守らない人が嫌いという人は、『ルールは守るべき』というクセを持っています。
これは色々な経験から学んだものですが、性格に現れる時は無意識的に思考しています。
ですが、一旦立ち止まって本当にルールは守るべきなのかと考えると、約束を守らない人に出会ったときの嫌悪感も変わってきます。
クセを理論的に考え矯正することによって、感情に振り回されず対応することができるようになります。

これらが性格改善のステップです。 性格を改善するためには、地道な作業も必要です。
焦らずに少しづつ向き合っていきましょう。

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性格を変える具体策

性格5

ここでは、いくつかの性格を変える具体策を挙げていきたいと思います。

自分の感情と向き合い、考え方を知る

感情というのは無意識に湧き出ているものです。
性格を変えたいと思う方は、マイナスな感情になる事が多いかと思います。
マイナスな感情にならなければ、そもそも変えようとは思いませんね。
大抵の場合、考え方には極端になっている部分があるものです。
その考え方が感情をむやみに傷つけている事がほとんどです。
自分が持っている考え方を分析する事で、感情がなぜマイナスになっているかの手がかりが発見できます。
そして、その考え方を変えていければ、感情も変わります。
性格を変えるというのは、自分の感情と思考を分析する事ではないでしょうか。

行動を変えてみる

性格とは、相手に認識されているその人を特定する性質という面もあります。
それは、自分の行動を相手が解釈する事で、それぞれに判断されます。
違う相手だと、また違うように見えているのです。
では、相手の見え方が変われば、それは性格が違って見えているということです。
自分の行動を変えると相手に見える性格が変わるのです。
その変化は、自分に投影されそれが本人の性格になって行きます。
ここで大事なのが、行動を選択するときに自分が苦しくならないようにする行動を心がける事です。
背伸びや無理な行動に変えて、それで性格が変わっても自分が苦しいだけです。
それでは、性格を変える意味がありません。
自分に合った理想の行動を見つけ出すことが必要になります。

多くの人の価値観を知る

性格というものは、その人の内側にある様々な情報の集合体が元になっているものです。
そして、その人が持つ気質や知識、経験は限られたものです。
全知全能の人がいるとしたら、その人はほとんどのことで悩まないでしょう。
あらゆる事に対して対処が出来るからです。思考の選択肢も増えるので手詰まりになる事も少なくなります。
多くを知るという事は、自分の中の情報を増やすということですので性格も変って行きます。
そして、多くのことを知るためには、さまざまな経験や勉強をする必要があります。
ですが、難しいことをする必要はありません。
本を読んだり、知らない人とコミュニケーションをとるなどをすれば、自然と他人の価値観に触れることが出来ます。
そのような中で、自分の存在や価値観とは違うものを知ることで、自分の性格がどのようなもので、どのようになりたいかが分かってくると思います。
また、多くの価値観を知るという事は自尊心(自分を認める心)を高めるという事にもなり、様々なメリットをもたらします。
○自尊心を高める方法に関して
自尊心を高める方法
自尊心が高まれば自分の嫌な部分を受け入れることができ、それを改善する方法を導き出す事が出来るようになります。

性格をプラスする

性格を変えたいと思ったときに、別の人をイメージしたり、自分とは逆の性格を思い描く事があります。
ですが、性格は変わりにくい部分があります。
その部分を無視して、自分を変えていこうとするのは本当に難しいことです。
また、無理に自分を消してしまう(感情を抑圧してしまう)こととなり、自然な自分ではなくなってしまう事もあります。
ですので、変えていく時は自分の性格に他の性格を足していくという事をしてください。
自分で変えたい部分を180°変えるのではなく、そうなりたい性格に近づくための細かい行動や考え方を少しずつ実行すると、無理な変化にはなりません。



性格を根本から変える事は難しいことです。
ですが、自分の性格で悩む事がなくなるように、自分を変えていく事は可能です。
大切なのは、どんな性格でも活かす方法があり、自分の性格で悩んでいる方はその活かし方を知らないだけだと知ることです。

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